DISCOGRAPHY >> GLITTER

原題:Glitter
邦題:グリッター
発売日:2001年8月18日
レーベル:Sony
カタログNO:SRCS 2500

●REVIEW & BACKGROUND
 Mariah初主演映画『グリッター』のサウンドトラックとしてリリースされた今作。長いこと在籍したSonyを離れVirginへ移籍しての(日本のみSonyから)リリースとなりました。映画の舞台が1980年代のニューヨークなので、アルバムのコンセプトも80年代を意識したものになっており、前作に引き続きJimmy Jam & Terry Lewisがメイン・プロデュースしています。一曲ですがWalter Afanasieffとのバラードも収録されています。

 2000年、Rainbowツアーを終えて映画撮影に取り掛かったMariah。CAMP MARIAHで6人の子供を撮影現場に招待したりと撮影は順調に進んでいったようですが、2001年はMariahにとって試練の一年でした。映画・サントラも完成しリリース間近になって事件が起こりました。"Glitter"に続き"Wise Girls"の撮影もこなし働き詰めになってしまっていたMariahが限界に達し、オフィシャル・サイトに失意のメッセージを残しました。その数日後突然の自殺未遂という誤報に続き、7月25日には遂に療養のためニューヨークのとある病院に入院してしまったのです。これに伴い映画公開とアルバムの発売が延期(日本のみ予定通りの発売)されました。Mariah本人は8月8日に無事退院。しかし更に追い打ちをかけるかの如くに9月11日にはあの世界中を震撼させた、アメリカ同時多発テロが発生。なんとアルバム発売も同じ日であったのです。テロ直後のリリースということで映画もアルバムも興行的には失敗に終わりました。退院後初のテレビ出演はテロで亡くなった被害者への追悼番組で、"Hero"をパフォーマンスをしたMariah。その後徐々にメディアにも復帰。Michael Jackson主催のチャリティーに参加したり、今までのMariahに戻りつつありました。

 80's Meets 2001ということで、懐かしいサウンドの中にもDa Brat、Ludacris、Ja Rule、Mystikal、Busta Rhymesといったヒップホップ界の若いアーティストたちを起用して現代風に作り上げています。アメリカでの結果はあまり良いものではなかったのですが、日本では洋画サントラ史上初となるオリコン・アルバム・チャートで初登場1位を獲得しました。

●TRACK LIST
1. Loverboy Remix
2. Lead The Way
3. If We
4. Didn't Mean To Turn You On
5. Don't Stop (Funkin' 4 Jamaica)
6. All My Life
7. Reflections (Care Enough)
8. Last Night A DJ Saved My Life
9. Want You
10. Never Too Far
11. Twister
12. Loverboy
13. Loverboy {MJ Cole Main Remix Radio Edit} (Bonus Track for Japan Only)

SINGLES FROM THIS ALBUM

LOVERBOY
邦題:ラヴァーボーイ

 "Glitter"からのファースト・シングル。Clark Kentプロデュースで、Cameoの1986年のナンバーワン・ヒット曲"Candy"をサンプリング。更にCameoのオリジナル・メンバーをフィーチュアしています。Mariahもとても楽しそうなパーティー・ソング。Mariahの輝かしいキャリア史上初めての大失敗への序章となったシングルですが、2001年6月23日付け73位で初登場後、2週連続で全米2位を獲得しています(惜しい!!)。更に2位へ上がる前の週は60位で、一気に58位もジャンプ・アップしたのはビルボード史上最高記録だそうです。更に更に、2001年の年間売り上げの1位はなんとこの"Loverboy"なんですよ。見直しました?(笑)

 実はこの曲もトラブルがあったそうで、当初"Candy"はなくて日本が誇る伝説的バンドYellow Magic Orchestraの"Firecracker"がサンプリングされていたのですが、リリース直前になってJennifer Lopezが"I'm Real"という曲で同じ曲を使用していることが明らかになり、Mariahは作り直さなければならなくなったそうです。これにはTommy Mottolaの妨害だという憶測も飛び交いました。"Loverboy (Remix)"のDa Bratのラップ・パートを聴くと明らかに"Firecracker"の旋律で歌っています。

NEVER TOO FAR
邦題:ネヴァー・トゥー・ファー
(日本盤未発売)

 Jimmy Jam & Terry Lewisプロデュースの劇中クライマックスで歌われるバラード。"Don't Stop (Funkin' 4 Jamaica)"がカップリングとして収録され、日本を除く各国でリリースされました。あまり書くと映画のネタばれになるので止めときますが、愛する人が遠く離れてしまっても心はいつもそばにあると歌っています。

 ミュージック・ビデオは映画のシーンがそのまま使われています。レコード会社側は新しくビデオを撮影する予定だったようですが、Mariahの入院で流れてしまったそうです。とにかく映画を観てみて下さい。

DON'T STOP (FUNKIN' 4 JAMAICA)
邦題:ドント・ストップ
(日本盤未発売)

 前述の通り"Never Too Far"との両A面でリリースされました。こちらも劇中、主人公のBillieとDJ Diceが出会うきっかけとなるシーンで歌われる曲ですが、一転してファンキーなナンバーになっています。DJ Clueプロデュースで、サントラ版ではラッパーMystikalを起用。Tom Brownの"Funkin' For Jamaica"のカヴァーと言える作品。とても趣味の良いチョイスだと思います。

 ミュージック・ビデオも面白い作りで、Mystikalをリード・シンガーに置いてそれをサポートする3人のCarey Sistersが登場します。3人ともMariahが演じていて、CGで3人一緒に歌っています。真ん中のMariahがハイノート出した時の両端のMariahの表情に注目です。

REFLECTIONS (CARE ENOUGH)
邦題:リフレクションズ

 嬉しいことに日本のみで発売となったシングル。こちらももちろん劇中で歌われる感動的なバラードで、Jimmy Jam & Terry Lewisプロデュース。母親に見捨てられた少女の気持ちを歌っており、劇中ではピアノの弾き語りになっています。

 因みに、日本でのリリースにあたって当時J-WAVEのラジオ番組でCDの帯に掲載するキャッチ・コピーを懸賞付きで一般募集してまして、僕もこっそり応募しました(ラジオで読み上げられたらしいですが落選・笑)。そして、見事採用されたキャッチコピーは「流れる時、とまらぬ想い」でした。

LAST NIGHT A DJ SAVED MY LIFE
邦題:ラスト・ナイト・ア・DJ・セイヴド・マイ・ライフ
(日本盤未発売)

 1982年にIndeepがリリースして大ヒットした曲のカヴァー。DJ ClueプロデュースのMariahヴァージョンではオリジナル・トラックをそのまま用いています。ラッパーのBusta Rhymes、Fabulousも参加。

 この曲が最後のシングル・カットになる予定だったのですが、何故かお蔵入りに。という訳で、シングルとしてはプロモ盤のみとなっています。こっそりと撮影されていたミュージック・ビデオは後にMariahのファンクラブで特別に公開されました。